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moon shine / sun shine
あとがき&語り。
 読んでくださってありがとうございました。本当に、うれしいです。以下は本当に覚書も含めた語りですので、暇つぶしにでもどうぞ。



 きっかけはなき「かたりむすび」(オンライン上の切磋琢磨サイト)への投稿。テーマが「双子」だったものの全然出来ずに途方にくれ、締め切り二日前ぐらいにこの作品が閃きました。間に合ったかはもう覚えてないのですが、多分間に合ったんじゃないかな……大分すぐに、出来上がった記憶があるので。
 今じゃ出来ない芸当です。当時の作品はぼろが多い分、勢いだけはあふれるほどだった……と思います。
 推定される制作期間が二日と言うことからわかるように、いきおいで始まり、いきおいで終わらせました。ただ、普遍にもちかい「好き」が、この作品に対してはあります。ながい話はいくつか書いても、これが不動の二位にあり、脳味噌を訴えることが多かった。
 とにかく向こう見ずで進み、ほとんどご都合主義。李花をはじめて書いたときは楓と姉弟なんて設定はなかったし、須王と陽の付き合い年数が光と同じじないこととか、何の理由もつけずにやっていました。
 最も現在公開しているものは大幅な加筆と修正を加えましたので、帳尻をこそこそ合わせました。ご都合主義感があっても見逃してください。そういう作品です。自分ではないつもり(ぐっ)

 天霧の作品はキャラが立っていないとよく言われました(……今も苦労してます)
 この作品はテーマ「双子」から作ったので、双子は当時の天霧史上では最大級に「立った」やつらです。ゆえに愛着が濃い。

・西尾 陽
 これで「あきら」と読むのですが、実際そう読んでいた方はどれくらいいらっしゃるのかと時々思っていた名前(笑)最初はモデルなしでしたが、今読み返すとまんま私の兄に似ている。成績はここまで優秀じゃなかったが(兄弟そろって科目集中型)名前もね、…実は陽の由来は兄だし。もちろん、まんまではないが。

・西尾 光
 陽が兄なら光はお前か、というわけでないです。光は……友人ですかねぇ。好きなことに熱中していればいいものを、なんかくるくるしているあたり。ただ、光はもう道をきめた気がします。迷わず進むのでしょう。ふとした瞬間に折れても、結局行き着く道は同じ。陽よりも、光の方が私の中では憧れが強い。

・須王 楓
 これは本気で兄。兄貴が二人いるよこの作品(笑)陽は兄のいいところをつめて、いい感じの性格でくるんだ人物ですが、こいつはまんま。本物のいやみったらしさを七割カットで行きました。大分イイやつになりました。陽との付き合いはこのまま続くと思います。ただ、この二人が夫婦になるのかまでは私的には想像できません。それはちょっと無理かなー。

・李花
 はー……い(挙手)というくらいのわたし。頭脳は違うが。留年してないし! でも第一志望落ちたのは一緒。受験は甘くないってことで。なんとなく似てしまった。ブラコンはここまで激しくないですが、昨今自分ちょっとブラコン気味なのかと思うことが多いです。これからも『明るくなる方法』で付き合いますよ。彼女の夢が何なのかは、そちらで種明かしの予定です。書ければね……

・タイトル『moon shine / sun shine』
 てきとーに思いついたピアノ曲が「月光」だったので、(確か当時、再放送『コナン』で月光が流れて間もなかった気がする/笑)そこからつけました。月の「光」、「陽」の光。が、名前をつけるときに無意識にありました。ただこのタイトル、作品を検索サイトに登録するときがひたすら面倒なタイトルでした。長いので、更新履歴でも切れちゃうし(笑)いまだに、どうして改稿の時に変えなかったんだろうと思います。
 じゃぁ今かえられるかっていうと、他ものが浮かばないのです。
 家族編最終話の締めで月が出ていますが、もちろんこんなことは特に考えていたわけではない。でも月って言うのは、欠ければ満ち、満ちれば欠ける姿が本当に美しいものだと思います。単調な満ち欠けが、この上なく。


 苦労と言う苦労がなかったのかというと、それなりにあった気がします。ただ、彼らの高校三年後期、書けて良かったと思うのは、自分自身の悩みの一片を彼らに持たせられたことです。自分の記憶は結局不確かなものだから、それを直接残すことって言うのは難しい。日記をつけているけれど、悩みって言うのは日記では表せないから。こうやって書くごとに思い出し、考えて、正しさなんて二の次で、選ぶ幸せと楽しさがあったなと。

 書いていてしあわせな作品でした。

 伝われば、いいのですが。



2006年10月  天霧拝。
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