最初は「第2部」的な扱いでしたが、「やっぱり李花が主人公でないからなー」ということで番外編に格下げされた今回の真理編。タイトルもぞんざい(「真理、中3」)でしたが、一度は二部としてあげたので、混乱された方がおりましたら、申し訳ありませんでした。
内容自体は、いつか書こうと思っていたものだったので、書いていて楽しかった。です。ずーっと溜め込んできた、「真理」のエピソードをすこしでもお披露目できて、とてもうれしい。
そんな喜びが少しでも皆様の「楽しさ」になっているといいのですが。どうなのか、不安です(笑)
あとがきと銘打ったものの、いろいろと見返していたら最初に作った設定資料たちが自分の中でおもしろかったので、それを公開しようかと思います。恐ろしく長くなったのでとても退屈かもしれません; 下の方へどうぞ。
それではまた、『明るくなる方法』本編でおあいできたら幸いです。
2009年3月某日
天霧拝
今回の番外編は、「わりかしまとも」なプロットを書きました。だから公開するという行為にも及んだわけですが。一年考えたうち、後半になるにつれおおざっぱになっていきますが、書いている最中にプロットを書き足していくのでノープロブレムです。だいたい5月頃を書いていると9月頃のネタが考えついて、それをめやすに伏線張りながら書いていきます。で、8月頃になると12月とか。微妙な同時進行で、プロットは増えていきます。最初から完璧なプロットなんて無理なうえに、そもそも忘れていきます(苦笑)馬鹿だからさ。
ただ、今回の番外編は本編から格下げ、1年→夏休み程度という期間の減り方をしたので、(結果、ページが大幅減)プロットを見返すとその違いがぼろぼろと出てきます。実際今回は、書いている最中にほとんど見返さなかったので……ちなみに見返す回数が多いときは、「#」を文頭に入れ込んで、「これは書いた!」と確認して書いていきます。A型らしさが発揮される、唯一の瞬間です(笑)
真理へ。
卒業おめでとうございます。中学生になるんですね。
真理の、真理だけの人生を楽しんでください。
↑冒頭に、道徳の遺書を書いていました。ある意味で作品の根幹でしたが、未公開のまま。
ただ、書いている途中で変わりまして、最初は、
真理へ。
まだ、覚えてくれていますか。忘れないでいてくれていますか。
いつか、真理が僕を忘れる日には、真理が幸せになっていることを、願います。
っていうのを考えていました。どちらにせよ三行縛りは変わらず。
4月始業
文化祭実行委員会発足(李花所属)
校内で迷子になっている宮崎に声をかけられる
なんとなーく知り合って、なんとなーく癒し系
↑初期設定では「高崎」さんは「宮崎」さんでした。なんで変えたのか、っていうと単なる気分。李花の名字が以前(※『明るくなる方法』は改稿後の作品名で、以前『Rift』という作品でした)「宮川」だったので、「そんなに宮が好きか!」と思い立って変えたんだったかな?
5月GW
町内運動会なるものに駆り出される
そこで宮崎と真理、再会
学校があまり楽しくないと言う真理に、
うちの学校見学に来ない? と誘う宮崎。
翌日、休日の校内を案内される。
楽しいもんだよ。
楽しいですっ、真理先輩がいるから。という李花に、
逃げ出す真理。
↑改行もまんまです。長文にすると読みづらいので。
町内運動会というのは、昨今ではすでにあり得ない年中行事のような気がしますし、私の在住する町内では私が生まれる以前に廃れたのですが(笑)父の会社では会社主催の運動会をしていて(景気悪化でなくなったのだけれど)、そのなんともいえない雑然とした雰囲気が記憶に残っていたので、今回盛り込んでみました。
最初は、「道徳似の高崎になんだか初々しく楽しくないんだという真理」という進め方だったんですねー。「なんで、あたし、ほぼ初対面の、名前も知らない人間に、こんなこと、話しているんだろう」的なことを言わせようと思って。
でも、天霧の予想を反してあんな男になってしまったので、あんな結末になりました。ただプロットのまま進行したとしても、真理が、そんな風に話すという性格でもないので躓いていた気がします。
6月中間
宮崎と同じ学校に行くために猛勉強開始。
一週間休む。
中間で学年170名中、30番内に食い込む。
カンニングを疑われる
準備で学校に来ていた宮崎に吐露。
励まされる
7月
期末では一人別教室の中、実施。
順位は50番まで上昇。疑い晴れる。
気づくと毎日、屋上に居る自分に気づく。
ここが楽しいんだろう。
↑6&7話のあと、いきなり夏休みに飛んだせいで無視された6月と7月。ただ、順位ネタだけはさわりでもやっておきたくて、ちょみっと登場。
「。」が文末についていたりついていなかったりするのも、適当さの表れですね。
8月
宮崎に誘われるがままに、遊ぶ
9月
宮崎に告白される
真理、断る。「……私は、忘れそうになった」
↑1年スパンだったので、告白断って、「楽しい」自分に嫌悪感を抱く、というエピソードを盛り込む予定でした。宮崎青年と一切会わないとか。ここらへん、一気に削除されましたね(笑)
10月
文化祭前の中間で少し順位を落とす。
志望校、このままでいいのかな……
文化祭で、李花と一緒に回っていると宮崎に出会う。気まずい。
知らない人のような態度。切ない。
↑たぶん、9月〜10月の展開を頭に入れていたら、冒頭のラブコメはなかったはずです。いまの高崎青年がそんな態度取ったら今の真理は「切ない」よりも「止まれ高崎!」といって啖呵きったハズ。
11月
秋。進路希望。――どうしたらいい?
↑プロット作るのに精根尽き果てたのがすぐにわかる11月の薄さ。受験生独特の「志望校ここでいいのかな!」状態で、文化祭に潜り込むという流れを考えていました。
12月
命日。宮崎さんに話す。
「私には、忘れられない子がいる」
だから、付き合えないんだと。
↑この段階での宮崎さん(高崎さん)は、「過去を知りつつも見守る優しい大人」的なイメージだったので、ここですごすご引き下がります。少女マンガ的に。何度も言いますが、今の高崎さんはこんなことになりません。
今の高崎さんなら6話のように言い返します。
1月
勉強に引きこもり+宮崎さんに教えてもらう
↑ふった相手に残酷だよ真理! と思いつつ、残酷なのはこのプロット。
2月
入試本番開始
↑高校受験は体験していないので、日程とか超わかんないです。いつも県内の公立高校の日程とか調べて書きます。『moon shine / sun shine』では、国立受験していなかったので、東大HPを脇で見ながら、書いていました。便利な箱、万歳。
3月
冴島から告白される。
断る。――なぜ?
宮崎さんに告白。いつか必ず、道徳よりも好きになるから、待っていてください。
↑少女漫画的に。シリアスな、ラブストーリー的なラスト。本編で冴島が真理に告白するかは待て本編。
こうしてみると、『明るくなる方法』の本編ー! っていうのを意識した、トラウマとかとの葛藤が前面に出たラブストーリーになっていた(はずの)雰囲気を醸し出すプロットですね。(自賛)番外編なのでそこらへんさくっと削った。
李花「やっぱり、愛の力ですか?」
健「え、なにが?」
李花「真理先輩の雰囲気が変わったなぁ、と。
以前はどことなく、明るさに無理があって」
健「ああ。そうか、愛か。違うね。真理の力だ。
真理自身が持っている本来の力」
李花「……」
私の心を、その言葉が波立たせた。
↑どこかで使おうと思っている言葉をこんな風に断片的にプロットに書いたりします。タイトル『明るくなる方法』をにおわせるラストですね〜。(他人事)今回は李花が「高崎先輩といるときの〜」で似たようなこといってしまったので、この会話が本編で採用されるかは不明。
ちなみに登場人物は輪をかけて簡易でした、特に今回。既存のキャラクターがほとんどだったので。
・井上 真理(いのうえ まり)
中3。
↑主人公でこの扱い。ひでぇ。
・井上 道徳(いのうえ みちのり)
真理の弟。故人。
↑没年とかは執筆中に計算しながらはじき出しました。書いとけよ。(いや、書いた時点でラストが近い&細かい年数再登場の予定はなかったので、書かなかっただけで、もうちょっと長い連載ならここにも書いておきます)
・高崎 健太郎(みやさき けんたろう)
真理の恋人になる人。家が近所、同じ町内。二つ年上で李花が進学しようとしている
学校(レベル高い)に通っている。文化祭実行委員会のアドバイス係(前委員長)。
もとは愛人の子供で、母親が正妻の座におさまって「次男」でありながら「太郎」に。
面倒なので「一月は太郎月」でごまかすも、本当の誕生日は六月。
↑後半のくだりが、(もし続きを書くとしたら)彼の性格に大きく影響を及ぼしています。
・羽住 志摩(はずみ しま)
真理のお世話係。
↑「志摩さん」は年齢も不詳です。
・井上 隆志(いのうえ たかし)
真理の実父。
↑かいたあとに自分の親族と名前が似ているとかざらにあります。orz
結局聞き慣れた「おと」に反応してしまうんですよねー。
・井上 さくら(いのうえ さくら)
真理の義母。道徳の実母。
↑彼女の名前は適当につけた記憶しかありません。
・青木 李花(あおき りか)
真理の後輩。中2。文化祭実行委員になる。
↑本編主人公もこの扱い。
・冴島 秋(さえじま あき)
真理に思いを寄せる。とんびに油揚げとられた人。
↑冴島が真理にほのかな恋心を寄せているって言うのは本編未公開設定でしたっけ。
・羽根 千奈津(はね ちなつ)
真理のクラスメイト。生徒会前会長。(3年6月で引退)
↑名字に「羽」がついているのも好きです。志摩さんも一緒。彼女は一度一部にも登場。
登場人物が全員プロットに登場しないのもプロットがいい加減ないい証拠ですね! 登場人物一覧は書いていくうちに書き足されたりします。場に応じて変化&上書きしていくので、実は初期設定のまま残った登場人物設定ファイルはこれがはじめてです(笑)
千奈津さんは真理先輩の唯一気軽に話せるクラスメイトとなる予定で、そのエピソードはどっかに入る予定でした。たぶん十一月とか?(てきとー)
現代物は世界観とかに脳みそを割かれない分、人間関係をとにかく脳みそにすり込むように設定させていきます。「文化祭」「生徒会」をキーワードに、本編でも人間関係が進んでいきます。とくに学園は、(自分の体験から)委員会とかクラブとか、仲のいい友達の所属する組織とかに人間関係が偏りやすいので、そこらへんからふくらませて。
そんなことを言いつつ、結局数名しか登場しない番外編になったわけですが。
妄想期間は何年も会った気がしますが、プロットと登場人物設定を書き出すのに使ったのは1〜2日で、あまり時間はかけなかった記憶。だから適当なんですけれど。