公海上に、東西南北に浮かぶ四つの島を総称して、シトウと言う。西のサイガにある唯一の娼館〈コーラ〉で、リリアは暮らしていた。セイやククーに、歌うことを止められながらも、そこそこ楽しく。ある日、サイガに珍しい旅人・アルタルフが訪れる。彼はリリアに、歌うことを求めた。幼馴染の言いつけを守って拒絶したリリアに、アルタルフは執着を見せ、リリアは彼と一緒に旅に出る。
もちろん前提として、ゼミの飲み三次会で酔っ払っていた上での発言であったことを付け加えておく。卒論提出後の、気の置けない仲間たちと行った飲み会で、教授は翌日の授業のためにそうそうにご帰宅なされた。ということはつまり、ストッパーは存在しない。
卒業がほぼ確定し、開放感に満ち溢れた大学四年ほど扱いにくい学生もいないだろう。
わが大学の飲み会において、男は三次会まで出席しなければならない。翌日新聞配達バイトだろうと、三次会までは必ず出席。これは何十年もの歴史と伝統を誇る決定事項である。
多くの一年がこの規則のもとに、金銭的精神的苦い思いを幾度となく経験するが、三年四年ともなればサークルの後輩を巻き込み、卒業するころには接待飲み慣れ間違いなしだ。社会人適合+1とでも言ったところか。
もちろん、飲み会に参加せずに逃げるという選択肢もあるが、連続すると不名誉な事態に陥る。卒業生としても有名な教授同伴の飲み会で、途中辞退をした学生が、反感を買ったためか単位を取れずに留年したと言うのは有名な逸話である。
はじめてきいたときは、あまりの情けなさに涙が出たが。
ただ、酒を飲んだ回数と、酒に対する強弱はさほど比例しないのが世間の常識である。
酒ごとき、されど酒。酒はのんでものまれるな。
――そう、ここにひとつ問題がある。俺は酒に弱い。飲んだら飲まれる。仕方なく、「のんだ回数を誤魔化す」必要性に迫られ、失敗するとひどいめに遭う。――否、つい数時間前も、遭ったばかりだ。
理性のある状態では酔うことは不覚ともなるが、酔ってしまえば仕方がない。三次会ともなれば前後不覚は当たり前、翌日記憶喪失は日常茶飯事のような状態になるが、まわりにいる気心の知れた友人は、そんなの当たり前だと酒を勧める。
今日これからのことももしかしたら、翌日になれば記憶はないだろう。
今回こんなことになったのは、飲み会の席でいきなり俺に罰ゲームが科せられたことによる。理由は、卒業制作プログラムの提出が一番遅かったから。確かにその通りなのだから何も言えず、友人たちからの質問に包み隠さず答えるはめになった。
質問の内容によっては真新しい内容を期待できない友人たちが、どんなことを聞くのかは、内心興味がある。ただ、俺なんかの話を聞いて、面白くもなんともないと思うんだが。
しょぼい質問が多い。ついでにいうと、答えを知りながら聞いてくるようなものも多かった。その中のひとつだった。
三島ぁ、おまえ、初恋はいつ?
――そうか、そう来たか。