飛鳥茶話(完結)
少女は赤羅という老人に話をねだった。赤羅は酒と引き替えに物語る。――時は、大王の坐す頃。高穂と穂波は、仲のよい姉妹だった。年頃になっても大王の決めた結婚を頑として拒む高穂に、穂波は不思議に感じながら、それでも「日常」は続いていた。けれどもじんわりと、時は二人に離別を告げる。
少女は赤羅という老人に話をねだった。赤羅は酒と引き替えに物語る。――時は、大王の坐す頃。高穂と穂波は、仲のよい姉妹だった。年頃になっても大王の決めた結婚を頑として拒む高穂に、穂波は不思議に感じながら、それでも「日常」は続いていた。けれどもじんわりと、時は二人に離別を告げる。